民事(家族)信託〜家族と共に考える未来の幸せ〜


ユアサイド行政書士法務事務所(千葉県千葉市)

民事(家族)信託のご案内



 ・民事(家族)信託って何?

 ・どんな人が関係してくるの?

 ・遺言や成年後見との関係性は?

 ・民事(家族)信託って万能なの?

 ・信託契約書は自分で作れる?

 ・信託契約書を作るときの流れは?

 ・どんな時に信託を使うといいの?

 ・1年ルールって何?

 ・30年ルールって何?

 ・財産の分離って何?

 ・成年後見による換価処分に注意

民事(家族)信託のご案内 千葉・東京を中心にご相談から信託契約書の作成まで、行政書士(契約書作成)が税理士(税金)・司法書士(登記)と連携してご対応します。


民事(家族)信託って何?

 家族信託(R)(又は民事信託)(以下「民事信託」と言う)とは、信託法及関連法で定められた、財産(権)の運用管理について、委託者、受託者、受益者等を定めて締結する営利を目的としない契約の一つです。


 その他、遺言形式(単独行為)で行うものや、自己信託(信託宣言)と言われるものもあります。


 テレビCM等で信託銀行等が広告をしているものは主に「商事信託」と言われ、営利を目的としている点が民事信託と異なり(ただし、この分類は多数の見解があります)、特に信託業法の適用を受け、信託業者(信託業者としての受託者)となるためには内閣総理大臣の免許を受ける必要があり、財産的基礎額として1億円を下回る事ができない等の制限が設けられています。

 そういった意味で、民事信託は金銭目的ではない、真の信頼を基にしたものと言えます。



どんな人が関係してくるの?

信託に際し登場する(登場する場合がある)者をご説明します。




  委託者:信託を委託する人

  受託者:信託を受託する人

  受益者:信託される財産(権)の利益を享受する人(但し、受益者の定めの無い信託可)

  〜 ここまでの3者が主な登場人物となります 〜

  信託監督人:受託者が信託内容を間違いなく実行する(不正をしない)よう監督する人

  信託管理人:受益者が現に存しない場合に、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上及び裁判外の行為をする人

  信託事務処理代行者:法28条によって信託事務の処理を委託された人

  受益者代理人:受託者を代理し、受託者に対し財産(権)の請求等を行う人

  受益者指定権者:受益者が定まらないまま前の受益者が死亡した場合等に、受益者を指定できる人

  残余財産受益者:受益者として一部の権利(共益件)を持ちつつ、信託終了後の財産を取得する人

  帰属権利者:信託終了後に残余財産の給付を受ける人


 遺言では、遺言者である被相続人と相続人、死因贈与や遺贈があれば受贈者や受遺者、遺言執行者が関係します。

 成年後見では、成年被後見人と成年後見人及び後見監督人という人たちくらいしか関係人としてあまり登場しませんが、信託においては、場合により色々な立場の人が関係してきます。

 これだけの立場の違う人が関係するという事は、言い換えればそれだけ複雑な関係性を考慮して信託の内容を決める事(決めなければいけない事)があるという事です。

 もちろん、これらすべての人が全ての信託に関係してくる訳ではありません。

 もっともシンプルな信託であれば、委託者と受託者そして受益者という3者のみという事もありえます。



遺言や成年後見との関係性は?
<民事(家族)信託を考える際に、時系列的に考慮する隣接制度があります。>
下記の図でご説明します。

(図1)信託、成年後見、遺言、委任契約□ の関係


健康な状態

成年後見開始

生存

死亡時(遺言執行・相続)

死後

成年後見遺言:執行不可

身上監護

※信託では身上監護不可

財産管理(限定的に処分可)

※財産の運用は不可

遺産(財産)分割・遺贈等

成年後見終了

予備的相続人の指定は可

※遺産分割が終われば終了

代理契約等


死後事務委任契約

信託契約      財産運用・管理   二次・三次等受益者指定可   信託条件等移行(変更) 等

 図1を説明しますと、成年後見が開始されると「身上監護」や「財産管理」が後見人によって開始され、成年被後見人の生存の間それらが続きます。


 死亡すると、遺言があれば遺言が執行され、無ければ法定相続が開始され、遺産(財産)分割がなされます。

 遺言では、遺贈や予備的に相続人等を定めておく等は可能ですが、二次・三次等(数世代)先までは定める事ができません。

 信託は、健康な時点から始まり(開始時期の条件を定める事可)、後見が必要となった場合でも継続され、財産は管理の範囲を超えた運用まで可能、また死亡後の財産の運用や管理方法を定める事ができます。

 さらに、遺言は推定相続人が内容に関与する事はできませんが、信託の場合には、推定相続人も含め財産の運用・管理の方法を話し合い決める事ができます。逆に言うと、推定相続人等と話し合いができない関係性の場合には信託は適していません。(信託は「信じて託す」事ができると言う関係性が重要です)



民事(家族)信託って万能なの?

 信託は成年後見や遺言を包括する万能の制度なのか!と言うとそうではありません。


 上記図1を見ていただければ分かるように、信託は財産(権)の運用・管理について定める事はできますが、身上監護については定める事はできません。また、遺言は単独行為ですので、自分の自由に財産の分割方法を決める事ができますが、一回的な分割(相続)で、相続人や受贈者については1世代しか指定できず、予備的に(その指定した人が相続の時点で死亡している場合にはその子へ等)認められているだけです。(但し、信託には30年ルールと言われるものがあります)




 対して信託は主に契約であるため、殆どの場合他の人(受託者等)との話し合いが必須で、事業をしている場合等で許認可が絡んでいる場合や契約書の作成は行政書士、登記が必要となる場合には司法書士、税金を考慮する必要がある場合には税理士等との打ち合わせは必要となります。




 また、特定の場合(自己信託)を除き、公正証書とする必要がありません。(任意後見契約との違い)




 それでも、健康な状態から死後の事までしっかりと財産の運用・管理の方法を定める事ができると言う点では、他の制度には無い魅力的な制度である事は間違いがありません。(「財産」とは、自身の持つ「全て」の財産でも、「一部」の財産でも可能で、現金や預貯金に限らず、事業(一部・全部)も含まれます)




 さらに、信託を理解し活用する事で、障害を持つ子供の継続的の生活の資金、ペットの世話、内縁相手の生活、事業承継等他の制度では定める事ができない内容を細かく設定して、生前(心身共に健康な時)は自分が運用管理し、後見人を要する状態になった場合にはココまでの財産については〇〇に、死後については〇〇と△△にコレコレこのように任せる。と言うようなより細かな設計が可能です。



信託契約書は自分で作れる?

 実際に信託契約の内容を定めて行こうとした場合に、公正証書にしなくても良いし、自筆でなくても良い(パソコンで作成しても可)ので、遺言の様に本やインターネットで調べれば作成できるかと言うと、そう簡単ではありません。


 もちろん不可能ではありませんが、可能な限りあらゆる事態を想定して予防策を考える(予防法務)という事も必要になるため、やはり専門家の力を借りることをお勧めします。




 なぜなら、遺言の場合は1回的な財産の分割方法の指定ですので、一般的に想定される財産の種類と、分割の方法及び文言、そして遺言として認められるための書き方が分かれば作成は可能ですが、信託の場合には、1回的ではなく、継続的(金銭給付や事業)であったり、二次・三次の受益者を想定したりと、想定する状況が無限にあるため、サンプルの契約内容の一部修正と言う感じで作成する事は事実上不可能です。




 もちろん、部分的な文言のサンプル等は入手できますが、それら部分部分をかき集めても、決して自分の信託内容に適したものにはなりません。




 そこで、契約書作成のプロである行政書士やその他の士業等が、それぞれの事案毎に相談を受け、整理のうえ対策を検討し、関連士業と連携して信託契約書を作成して行くのが良いと言う結論にたどり着きます。




 とは言え、行政書士(他士業も含め)なら誰でも大丈夫かと言うとそうとは言えません。




 なぜなら、信託契約書を作成するためには、信託だけでは賄えない「事務委任契約」、「成年後見」、「遺言」の併用、そして事業承継が絡んでいる場合には「許認可や免許」、「会社法」の知識が最低限必要となるからです。




 また、上記の通り登記や税務に関しても連携できる体制が無いと、総合的な信託契約の内容を定める事ができません。




 つまり、1日2日で完成させることはほぼ不可能なものと言う事です。(準備がとても重要です)




ご依頼をいただけた場合には、事前準備ヒヤリングシートをお持ちし、委託者(ご依頼人)様のご希望を伺い、1つ1つ大切に作成を進めさせていただきます。



信託契約書を作る時の流れは?

大まかな流れ(スケジュール)をご紹介します。




 1.事前打ち合わせ(希望信託内容の確認)




 2.関係者(委託者、受託者、受益者、銀行等)との打ち合わせ




 3.アウトライン作成




 4.アウトラインを基にした事前準備(関係人、株式関係、許認可関係、法人設立、関係士業、同業者等との打ち合わせ)




 5.信託契約書作成(場合により公正証書、私文書認証、確定日付)




 6.信託契約に基づく名義変更、登記、税務等手続き






 このような流れがあるため、数週間から場合により数ヶ月かかります。




 当事務所は各種契約書作成、法人設立、事業承継、相続・遺言・成年後見及びそれに関する相談員等の経験がありますし、司法書士や税理士とも提携等しておりますので、総合的サポートが可能となっています。


 更にご希望があれば、信託監督人や受益者代理人も受任いたします。(ただし、代理業は行政書士業務ではないため、個人としての受任となります)




 ※公正証書作成、私文書認証、確定日付付与は公証役場にて公証人が行います。



どんな時に信託を使うと良いの?

以下のような事情のある方等は、信託の活用が有効と考えられますのでご検討ください。




 ・直系血族だけに先祖代々の財産(一部・全部)を受け継がせたい(姻族に残さないようにしたい)




 ・事業承継を考えているが、後継者が心もとない(後継者がまだ若年、または後継者がいない)




 ・子や兄弟姉妹に障害があり、一括で財産を与えても(相続させても)生活の安定が保てない




 ・ペットがいるが、自分に何かあった時にきちんと面倒をみてもらいたい(生前から死後も続けて)




 ・子供達と話し合って、財産の分け方等を決めたい(遺言では推定相続人は関与できない)




 ・特定の資格(行政書士等)が無いと事業を継続できず、顧客に迷惑をかけてしまう(同業者との相互契約)




 ・特定の子供の浪費が激しいため、一括で財産を相続させるのは心配




 ・自分名義の不動産を、相続人以外(法人等)に継続的、安定的に使用させたい




 ・事情があり法律婚をしていないが、パートナーに負担とならない形で財産(不動産)を使わせたい




 これらの事情があり、信頼できる人<法人含む>(受託者)がいて、原則無償で受託者となってもらえる場合には「民事信託」を、信頼できる人<法人含む>がいない場合には、商事信託(信託銀行等)を利用するのが良いかと思います。(商事信託の場合には手数料が発生するものがあります)




※ 上記活用例は一例です。




1年ルールって何?

 1年ルールとは、信託法第163条において定められているルールで、信託が実施された後、主たる関係人である受託者に特定の事情が生じた場合に、現在の信託内容を維持等するための準備猶予期間のようなものです。


(三者一体型自己信託では、残余財産受益者、受益者指定権者の設定を考慮します)




参考


 第百六十三条  信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。


  一  省略


  二  受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。


  三  受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。


  四  以下省略




30年ルールって何?

 30年ルールとは、信託法第91条において定められているルールで、信託が有効とされる一応の期間を定め、信託という信頼関係を基にした制度に、委託者の想定しえない関係人が関係する状況を断ち切るためのルールです。


 もちろん、信託財産を譲り受けた人が、当初の信託の目的を達成し続けるために、改めて信託契約を結び、その信託内容(目的)を継続させて行く事は可能です。




参考


 第九十一条  受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。




財産の分離って何?

 財産の分離とは、信託財産というのは、委託者の物でもなくなり、受託者の物でもない財産となるため、委託者の債権者や受託者の債権者が、信託財産に対して差し押さえや強制執行が行えないという特殊な状況(分離された状況)になっている事を言います。


 もちろん、それら債権者を害する目的でされた信託は無効となりますので、借金などから逃げるために信託を行う事はできません。


 また、信託法第23条において強制執行等に関する特例が定められており、民法第424条の詐害行為取り消しの裁判を経ることなく強制執行等が行えます。


 ただし、詐害的信託がなされた時から2年に限られるため、2年上経過している場合には、通常通り詐害行為取り消しの裁判を経る必要があります。




成年後見による換価処分に注意

 成年後見による換価処分に注意とはどういう事かというと、成年後見人には財産の処分権が認められているため、遺言信託で信託財産とする予定だった不動産を、信託が開始される前に換価処分してしまい、信託開始時(遺言執行時)に信託財産が存在しないという事態がありえるという事です。



 そのような状況を避けるためには、遺言信託や信託契約と共に「任意後見契約」を結び、任意後見人の財産の換価処分に対して、信託財産の処分に制限をかけるなどして、任意後見契約も含めた総合的計画を行う必要があります。




 その他にも、遺言や成年後見だけでは解決できない財産の問題があり、何か方法がないだろうか?と頭を悩ませているようでしたら、まずは一度ご相談ください。
 もしかしたら、その問題を解決する方法(信託と遺言や成年後見、死後事務委任契約の併用)が見つかるかもしれません!